アラ・ブレーヴェで書かれた曲は?
2025.06.12
更新日:2025.06.12

こんにちは。東京都小金井市の個人ピアノ教室、Una Classe di Pianoforteです。
アラ・ブレーヴェについてお話ししてきましたが、具体的にどんな楽曲があるのか。
例えば、バロック時代のフーガや舞曲で多く使われていて、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集などがあります。
また、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」1楽章もそうです。
この曲は、演奏感覚としてはゆったりして聞こえますが、実際には2拍子で「1・2、1・2…」と感じながら進めることで、構成の重心やフレーズの流れを明確にすることができます。
さらに、ベートーヴェン – ピアノソナタ第8番《悲愴》第3楽章には、明確なアラ・ブレーヴェ表示があり、同じくピアノソナタ第23番《熱情》第3楽章には、スピード感を持たせるためにアラ・ブレーヴェが使われています。
このように、アラ・ブレーヴェはテンポを速くするためのものではなく、拍の「感じ方」を変えるための記号です。
同じ音符でも、「4/4」ではなく「2/2」で書かれることで、よりダイナミックで構造的な演奏が求められるようになります。
そして、アラ・ブレーヴェを意識することで、「ただゆっくり」ではなく、時間の流れを保ったまま音楽を運ぶことができるのです!